これだけは知っておこう!個人で出来る津波対策
東日本大震災では多くの方が津波の被害に遭いお亡くなりになりました。
まずはご家庭や自治体で出来る津波対策や津波について知っておりましょう。
1・大津波警報と津波警報の違い
(1)大津波警報とは
予想される津波の高さが高い所で3mを超える場合
木造家屋の倒壊や流出する恐れがあります。人は流されるケースがあります。
(すぐに高台などに避難をして下さい。)
(2)津波警報とは
予想される津波の高さが高いところで1mを超え、3m以下の場合。
低い地域の所では浸水被害や人が歩けなくなり、被害に遭うケースがあります。
2・津波の種類
(1)遠地津波
地震が発生してから1時間以上経ってから来る津波。発生場所が遠方の所(例)チリ地
(2)近地津波
地震が発生してから1時間以内に来る津波。発生場所や震源地が近い場合はすぐに来ます。
3・想定を超える津波
津波は1波、2波、3波と繰り返し何度も襲ってくる場合があります。
また1波よりも2波、3波の方が勢いや高さが強い場合があるので十分な警戒が必要です。
*津波は自身だけでなく火山の噴火により発生する場合もあります。
1792年島原湾の大津波が代表的です。 島原半島での火山が噴火し大量の土砂が島原湾に流入し有明湾の反対側にある肥後国沿岸を津波が襲い15,000人の方がお亡くなりになりました。それ以外には海底火山の噴火により津波が発生する場合があります。
4・津波の遡上(そじょう)とは
鮭の産卵期の遡上(河をのぼってくる)は有名ですが津波の遡上はあまり知られていないと思います。多くの方が津波は海岸(海の方から)から来るものだと思っていると思います。
大津波の場合、海岸部や沿岸部の地形にもよりますが河から先に津波が襲ってくる場合もあります。
イメージとしては、河と海が繋がっている所では防潮堤や堤防を越える前に先に津波が襲ってくる場合もあります。1か所でも水が流れればそこから一気に水が流れ込む場合もありますので、この場合はすぐに避難が必要です。
通常河川の設計は上流から下流への流れを想定している為に遡上に対しはほとんど対策をしていません。その為倒壊した家屋の木材や残骸などが田畑に流れ塩害の被害をもたらすことがあります。
東日本大震災では遡上高が最高で43.3mに達していました。これだけの高さを水が逆流してくるので出来るだけ高台に避難をしましょう。
5・先人の言い伝え
貞観地震からの言い伝え
今から千年以上前の平安時代に貞観地震が起こり死傷者約1000人以上の方が被害にあわれ後世に伝える為に貞観地震の石碑と思われるものがあります。
ここより下には住むな
《貞観地震津波碑は、半島先の月浜海水浴場に向かう峠にある宮戸郵便局前の道路横の畑地にある。写真のように、貞観という刻字がかすかに読み取ることができる古い貞観地震津波碑と「貞観の碑に感謝」という刻字がある説明碑がある。貞観11年(869)の貞観地震の時、両岸から大津波が押し寄せ、島の中央でぶつかったという言い伝えが残されている。ぶつかったとされる場所(標高約10m)には石碑が建っており、そこより下は危険とされていた。
東日本大震災の時には、約1,000人の島民は石碑より高台にある市立宮戸小学校などに一斉に避難、津波は浜辺の集落の大半をのみこんだが、石碑の手前でとどまり、犠牲者は数人にとどまったという。》
(引用:香川大学 松尾裕治氏「東日本大震災から3年半後の被災地「津波災害伝承碑、高地移転集落等」現地調査報告」平成26年11月)
この他にも東北3県(青森・岩手・宮城)には300基もの津波被害と思われる石碑があり
皆、津波にたいしての被害や警戒や備えを伝えています。
6・先人の言い伝えを教訓に
(1) 津波に対しては普段から非常持ち出し袋の準備
各家庭に合わせた非常用の準備を怠らない。ペットを飼っている方は必ずクレートやゲージ・ペットの食事などは準備をしておく事。東日本大震災ではペットを助けようと家に戻った多くの方がお亡くなりになったケースもあります。
(2) ハザードマップの確認
普段からハザードマップを確認し避難ルートや自分が住んでいる地域の事を詳しく知っておきましょう。
*ハザードマップの境界線 東日本大震災ではハザードマップで安全とされていた境界線にお住まいの方の多くがお亡くなりになっています。ハザードマップは完全に安全なものではなく、あくまで被害想定ですので境界線の方も十分に警戒をしましょう。
(3) 普段からの防災家族会議
普段から災害や津波に備え家族会議は行いましょう。
避難所はどこでどうやって避難をするのか? 子供やお年寄り、ペットの避難はどうするのか?などです。またご近所さんと防災について話をしておくと、いざと言う時にお互いに助け合いが出来るので必ずコミュニケーションは大事にしましょう。
(4) 安否確認をどうするのか?も家族会議
大規模災害の時に携帯電話は繋がらなくなります。その場合、安否確認の方法の一つに災害伝言ダイヤルがあります。
「171」をダイヤルして、録音は「1」を入力、再生は「2」を入力して、それぞれ電話口のアナウンスの指示に従って操作します。
その他SNSやLINEが有効となります。電話回線ではなく、インターネット回線の方が繋がりやすくなりますので必ずこの事は覚えておいてください。
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